「最初会った時、遊ばれることを承知であなたがどう遊ぶのか、それに興味があったの」
「でも僕は何もしなかった。」
「そう。それで私は混乱してしまったの。たぶんそれが貴方の作戦なのかもしれないわね。混乱させて、その様子を眺めて楽しんで、そして飽きたら捨てるの」
「僕は捨てない。それは僕のルールブックにはないんだ。なぜなら、これは君が始めたゲームだからだ。終わりももちろん君が決めればいい」
「ゲームだなんてひどい言い方。でも、そんな事言うのは貴方が臆病なのよきっと。でも、欲しいものを欲しいと少しずつ言えるようになってきてる」
「人はそれを成長と言う。ただ僕の成長の歩みはとても遅い。36年も生きているけど、多分他の人の20歳くらいの精神年齢だと思う。やっと少しずつ言葉を口にすることができるようになってきたんだ。欲しい物は欲しい、要らないものは要らない、というシンプルだけどなかなか難しい台詞を。でも時々言葉を選び間違える。相手を間違えている場合ももちろんある。」
「ひどいわ。…でも貴方の言いたいことは少しわかる。私にとって、貴方は本当に必要な人なのかしら?。もちろん、貴方がいなくなればとても哀しい。でも、哀しさは人の苦しみの源泉ではないわ。喜びに充ち満ちた生活を得て、そして次に失うことへの恐怖を想像するのよ。それが苦しみの本質だと思うの。」
「僕はまだ何も与えていない…ある朝目覚めると、気の木陰でしゃがみこんだ綺麗な女の子が喉が渇いたわ、と言っていた。僕は樫の木のほこらのそばで営業しているスタバでキャラメルマキアートを買い、君に手渡した。ただそれだけだ。」
「でも貴方はもう怯えているわ。それはあなたの想像力が豊かだから?、それとも私があなたにアイスコーヒーを差し出さないから?」
「そう。僕が怯えている理由は、僕の想像力が豊かで、そして手元にアイスコーヒーがないから、だ。でも、それでも今は君がいる。明日のことは僕にはわからない。昨日のことはあまり覚えていない。でも、今はこうして君の髪を撫でている。」
「でも女には、今この時この瞬間よりも明日と昨日のことが大切な場合があるものよ。それを貴方は学ぶの。私の役目は、それを貴方に教えること。貴方は私に何を教えてくれるの?、キャラメルマキアートなら他に人でもご馳走してくれるわ。」