『良いクリスマスだったな。キレイで素敵な子と良い雰囲気の街も歩けた。コーヒーだって2杯も飲んだ。来年の話しもできた。悪くない。』
新宿でデートをする時はいつも決まってそのカフェだった。天気が良ければテラスで新鮮なマスカットジュースだって飲める。
『なにそれ、バカみたい』
☆
雪みたいな真っ白なタイトパンツに、小さめのボアの付いた黒のソフトダウン。弁当箱くらいの大きさのバックルの付いたスノッブなベルトの下に、焦げ茶色のVネックセータ。プラチナのチェーンとダイヤのネックレス。レディースのロレックスと、ブルガリのバングル。カメラ付505とマルボロメンソール。…雨よ、雪に変われ。
『まだクリスマスじゃないわよ。バカみたい』『いや、だいたいあんなものは広告屋とメディアが作り上げた壮大なデマなんだ。オレには今夜がクリスマスだ。トナカイもサンタもいない。でも君がいる』
『まぁどっちでも良いけど、ちゃんと連絡してよね。いろいろちゃんと。それでなくてもわけわからない人なんだから、そのままわかんなくなるのはイヤなの。ね。』
『雨が雪に変わったら世界ももう少しオレ達二人に寄り添うだろう。』
『バカみたい』
『男の子の小さな夢はそうやって女の子達の偉大な現実の前にいつも無力なんだ。そして女の子の生理不順で男の子達のあわい夢はいつも打ち砕かれる』
『ホント馬鹿』